薬以外で片頭痛を何とか楽にやり過ごす方法を集めました。

薬に頼らない片頭痛の対処法1 2003.8.24

片頭痛は頭部の血管がストレス調節物質であるセロトニンに反応しやすいという体質のために起こる病気といえます。既にひどく痛くなったものを薬なしで治すことは難しいでしょう。
ただ痛くなりそうなとき,薬を飲まないでもある程度の対処ができます。基本的に片頭痛は視床下部に何らかのストレスが加わると起こります。視床下部は体内の環境を常に一定に保つサーモスタットのようなものですから,外の気温が変化して体温に影響をあたえそうだ,とか,月経前などでホルモンバランスが大きく変化した,あるいは,精神的ストレスで常に緊張を強いられている,などの状態はすべて視床下部へのストレスになります。このストレスを緩和するためにセロトニンが使用されますが,セロトニンが使われて足りなくなると,血管が拡張して周囲の神経に触れ,ズキンズキンという片頭痛が起きるのです。したがって,出来るだけ視床下部へのストレスになるような体内環境の変化を避け(月経などはどうしようもありませんが),下記のような対処法で片頭痛をやり過ごすことができる場合もありますのでお試し下さい。

対処法1.刺激を避けて静かな薄暗い部屋で横になる。できればしばらく寝る。
以前,片頭痛の特効薬がないときはこの方法が唯一の治療法でした。いまでも可能であれば,薬を飲む前に試してみたい方法です。

対処法2.カフェインを含んだ飲み物を取る。
軽い頭痛のときにコーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物を取ると,片頭痛が治まることがあります。カフェインには血管収縮作用があるからです。ただし多く飲みすぎるとかえって片頭痛を悪くすることもありますので,ほどほどに。

対処法3.コメカミや後頭部などズキズキしているところを冷やす,あるいは指で押える。
コメカミの血管がズキンズキンと脈打っている時は,そこを強く押えると片頭痛が軽くなることがあります。眼の周りやコメカミに氷枕や熱吸収シートなどを当て,休んでいると楽になることもあります。

対処法4.アメなど甘いものを食べる。
片頭痛は低血糖によって引き起こされやすいので,頭痛を感じたら甘いものを口にすると楽になる場合もあります。

対処法5.周期性がある場合は,起こりそうな時期は体調の変化を最低限に。
月経と関係があったり,週末になるとかならず片頭痛が起こるという方が結構いますが,起こりそうな時期が予測可能な場合は,その時期の激しいスポーツやアルコール摂取などを避け,お風呂なども身体を温めすぎないよう軽く済ませ,休日でも寝貯めをせず出来るだけ体内時計のリズムを狂わせないよう心がけて下さい。早朝であれば朝食後の軽い散歩などが体調の維持に勧められます。身体の内外の急激な温度差(クーラーの効かせすぎや炎天下の外出など)は間違いなく片頭痛の増悪要因です。晴天時の外出には帽子とサングラスをお勧めいたします。

次に,片頭痛を起こしずらくする日頃からの対処法を幾つか載せておきます。

対処法1.体質改善
食事の中でビタミンB2やマグネシウムを多く含むものを取ると,片頭痛を起こしずらくなると言われています。医学的根拠もあります。マグネシウムはひじきや海藻類,黒豆,ココアなどに多く含まれ,ビタミンB2は牛,豚などのレバー,乾燥酵母,小麦胚芽,卵黄,アーモンドなどに多く含まれているようです。ただしビタミンB2は通常の食事から摂取する量の4-5倍程度取らないと効果がないとも言われています。

対処法2.リラクセーション
視床下部の調子を狂わせるものは何でも片頭痛を起こすストレスとなりますが,リラクセーションによって自律神経のバランスを改善することで,視床下部のストレス耐性を強化できます。もっとも簡単な方法は,ベッドに横たわったりソファにゆったりと座り,眼を閉じてゆっくりと腹式呼吸(お腹に空気が広がっていく感触をイメージし,お腹からゆっくり空気が出て行く感覚をイメージできればよい。お腹を膨らませてとか胸を充分ひろげてなどとは考えなくて良い)を行ない,みぞおちのあたりに温かみを感じるイメージを描きながら,しばらく静かに時間を過ごすだけである程度のリラックス感を得られます。意識的に顎や肩の力を抜くようにできればもっと効果的です。
さらに詳しい方法として自律訓練法や漸進的筋弛緩法などがありますが,興味のある方はlesson3の書籍をご覧下さい。

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